介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚 生省令第40号) |
目次 第1章 基本方針(第1条) 第2章 人員に関する基準(第2条) 第3章 施設及び設備に関する基準(第3条・第4条) 第4章 運営に関する基準(第5条ー第38条) 附則 第1章 基本方針 (基本方針) 第1条 介護老人保健施設は、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることとともに、その者の居宅における生活への復帰を目指すものでなければならない。 2 介護老人保健施設は、入所者の意思及び人格を尊重し、常に入所者の立場に立って介護保健施設サービスの提供に努めなければならない。 3 介護老人保健施設は、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、居宅介護支援事業者(居宅介護支援事業を行う者をいう。以下同じ。)、居宅サービス事業者(居宅サービス事業を行う者をいう。)、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。 第2章 人員に関する基準 (従業者の員数) 第2条 介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第97条第2項の規定による介護老人保健施設に置くべき医師、看護婦、介護支援専門員及び介護その他の業務に従事する従業者の員数は、次のとおりとする。 一 医師 常勤換算方法で、入所者の数を100で除して得た数以上 二 薬剤師 介護老人保健施設の実情に応じた適当数 三 看護婦、看護士、准看護婦若しくは准看護士(以下「看護職員」という。)又は介護職員(以下「看護・介護職員」という。) 常勤換算方法で、入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上(看護職員の員数は看護・介護職員の総数の7分の2程度を、介護職員の員数は看護・介護職員の総数の7分の5程度をそれぞれ標準とする。) 四 支援相談員 入所者の数が100又はその端数を増すごとに1以上 五 理学療法士又は作業療法士 常勤換算方法で、入所者の数を100で除して得た数以上 六 栄養士 入所定員100以上の介護老人保健施設にあっては、1以上 七 介護支援専門員 1以上(入所者の数が100又はその端数が増すごとに1を標準とする。) 八 調理員、事務員その他の従業者 介護老人保健施設の実情に応じた適当数 2 前項の入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規開設又は再開の場合は、推定数による。 3 第1項の常勤換算方法は、当該従業者のそれぞれの勤務延時間数の総数を当該介護老人保健施設において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより常勤の従業者の員数に換算する方法をいう。 4 介護老人保健施設の従業者は、専ら当該介護老人保健施設の職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。 5 第1項第7号の介護支援専門員は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、当該介護老人保健施設の他の職務に従事することができるものとする。 第3章 施設及び設備に関する基準 (厚生省令で定める施設) 第3条 介護老人保健施設は、次に掲げる施設を有しなければならない。 一 療養室 二 診察室 三 機能訓練室 四 談話室 五 食堂 六 浴室 七 レクリエーション・ルーム 八 洗面所 九 便所 十 サービス・ステーション 十一 調理室 十二 洗濯室又は洗濯場 十三 汚物処理室 2 前項各号に掲げる施設の基準は、次のとおりとする。 一 療養室 イ 1の療養室の定員は、4人以下とすること。 ロ 入所者1人当たりの床面積は、8平方メートル以上とすること。 ハ 地階に設けてはならないこと。 ニ 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。 ホ 寝台又はこれに代わる設備を備えること。 ヘ 入所者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。 ト ナース・コールを設けること。 二 機能訓練室 1平方メートルに入所定員数を乗じて得た面積以上の面積を有し、必要な器械・器具を備 えること。 三 談話室 入所者同士や入所者とその家族が談話を楽しめる広さを有すること。 四 食堂 2平方メートルに入所定員数を乗じて得た面積以上の面積を有すること。 五 浴室 イ 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。 ロ 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。 六 レクリエーション・ルーム レクリエーションを行うために十分な広さを有し、必要な設備を備えること。 七 洗面所 療養室のある階ごとに設けること。 八 便所 イ 療養室のある階ごとに設けること。 ロ ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。 ハ 常夜灯を設けること。 3 第1項各号に掲げる施設は、専ら当該介護老人保健施設の用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。 (構造設備の基準) 第4条 介護老人保健施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。 一 介護老人保健施設の建物(入所者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物とすること。ただし、療養室その他の入所者の療養生活に充てられる施設(以下「療養室等」という。)を2階以上の階及び地階のいずれにも設けていない老人保健施設の建物は、同条第9号の3に規定する準耐火建築物とすることができる。 二 療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段及びエレベーターをそれぞれ1以上設けること。 三 療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を2以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第123条第1項に規定する避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。 四 階段には、手すりを設けること。 五 廊下の構造は、次のとおりとすること。 イ 幅は、1.8メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、2.7メートル以上と すること。 ロ 手すりを設けること。 ハ 常夜灯を設けること。 六 入所者に対する介護保健施設サービスの提供を適切に行うために必要な設備を備えること。 七 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けること。 第4章 運営に関する基準 (内容及び手続の説明及び同意) 第5条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供の開始に際し、あらかじめ、入所申込者又はその家族に対し、第25条に規定する運営規程の概要、従業者の勤務の体制その他の入所申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について入所申込者の同意を得なければならない。 (受給資格等の確認) 第6条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供を求められた場合には、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめるものとする。 2 介護老人保健施設は、前項の被保険者証に法第73条第2項に規定する認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、介護保健施設サービスを提供するように努めなければならない。 (入退所) 第7条 介護老人保健施設は、その心身の状況及び病状並びにその置かれている環境に照らし看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療等が必要であると認められる者を対象に、介護保健施設サービスを提供するものとする。 2 介護老人保健施設は、正当な理由なく介護保健施設サービスの提供を拒んではならない。 3 介護老人保健施設は、入所申込者の病状等を勘案し、入所申込者に対し自ら必要なサービスを提供することが困難であると認めた場合は、適切な病院又は診療所を紹介する等の適切な措置を速やかに講じなければならない。 4 介護老人保健施設は、入所申込者の入所に際しては、その者の心身の状況、病歴等の把握に努めなければならない。 5 介護老人保健施設は、入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討しなければならない。 6 前項の検討に当たっては、医師、薬剤師、看護・介護職員、支援相談員、介護支援専門員等の従業者の間で協議しなければならない。 7 介護老人保健施設は、入所者の退所に際しては、その者又はその家族に対し、適切な指導を行うとともに、退所後の主治の医師及び居宅介護支援事業者に対する情報の提供その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。 (要介護認定の申請に係る援助) 第8条 介護老人保健施設は、入所の際に要介護認定を受けていない入所申込者については、要介護認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、申請が行われていない場合は、入所申込者の意思を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。 2 介護老人保健施設は、要介護認定の更新の申請が、遅くとも当該入所者が受けている要介護認定の有効期間の満了日の30日前には行われるよう必要な援助を行わなければならない。 (入退所の記録の記載) 第9条 介護老人保健施設は、入所に際しては入所の年月日並びに入所している介護保険施設の種類及び名称を、退所に際しては退所の年月日を、当該者の被保険者証に記載しなければならない。 (健康手帳への記載) 第10条 介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関し、入所者の健康手帳(老人保健法(昭和57年法律第80号)第13条の健康手帳をいう。以下同じ。)の医療に係るページに必要な事項を記載しなければならない。ただし、健康手帳を有しない者については、この限りでない。 (利用料等の受領) 第11条 介護老人保健施設は、法定代理受領サービス(法第48条第5項の規定により施設介護サービス費(同条第1項に規定する施設介護サービス費をいう。以下同じ。)が入所者に代わり当該介護老人保健施設に支払われる場合の当該施設介護サービス費に係る介護保健施設サービスをいう。以下同じ。)に該当する介護保健施設サービスを提供した際には、入所者から利用料(施設介護サービス費の支給の対象となる費用に係る対価をいう。以下同じ。)の一部として、当該介護保健施設サービスについて同条第2項第1号に規定する厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該介護保健施設サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に介護保健施設サービスに要した費用の額とする。)及び同項第2号に規定する厚生大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事の提供に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事の提供に要した費用の額とする。)の合計額(以下「施設サービス費用基準額」という。)から当該施設に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得られた額の支払を受けるものとする。 2 介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当しない介護保健施設サービスを提供した際に入所者から支払を受ける利用料の額と、施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。 3 介護老人保健施設は、前2項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。 一 厚生大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用 二 入所者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用 三 理美容代 四 前各号に掲げるもののほか、介護保健施設サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その入所者に負担させることが適当と認められるもの 4 介護老人保健施設は、前項各号に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入所者又は家族に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、入所者の同意を得なければならない。 (保険給付の請求のための証明書の交付) 第12条 介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当しない介護保健施設サービスに係る費用の支払を受けた場合は、提供した介護保健施設サービスの内容、費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を入所者に対して交付しなければならない。 (施設サービス計画の作成) 第13条 介護老人保健施設の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。 2 施設サービス計画に関する業務を担当する介護支援専門員(以下「計画担当介護支援専門員」という。)は、施設サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、入所者について、その有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて入所者が現に抱える問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。 3 計画担当介護支援専門員は、入所者及びその家族の希望、入所者について把握された解決すべき課題並びに医師の治療の方針に基づき、当該入所者に対する介護保健施設サービスの提供に当たる他の従業者と協議の上、サービスの目標及びその達成時期、サービスの内容、サービスを提供する上で留意すべき事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。 4 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案について、入所者に対して説明し、同意を得なければならない。 5 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成後においても、介護保健施設サービスの提供に当たる他の従業者との連絡を継続的に行うことにより、施設サービス計画の実施状況の把握を行うとともに、入所者についての解決すべき課題の把握を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。 6 第2項から第4項までの規定は、前項に規定する施設サービス計画の変更について準用する。 (介護保健施設サービスの取扱方針) 第14条 介護保健施設サービスは、入所者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を踏まえて、その者の療養を妥当適切に行わなければならない。 2 介護保健施設サービスは、施設サービス計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行わなければならない。 3 介護老人保健施設の従業者は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、入所者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行わなければならない。 4 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない。 5 介護老人保健施設は、自らその提供する介護保健施設サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。 (診療の方針) 第15条 医師の診療の方針は、次に掲げるところによるものとする。 一 診療は、一般に医師として必要性があると認められる疾病又は負傷に対して、的確な診断を基とし、療養上妥当適切に行う。 二 診療に当たっては、常に医学の立場を堅持して、入所者の心身の状況を観察し、要介護者の心理が健康に及ぼす影響を十分配慮して、心理的な効果をもあげることができるよう適切な指導を行う。 三 常に入所者の病状、心身の状況及びその置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、適切な指導を行う。 四 検査、投薬、注射、処置等は、入所者の病状に照らして妥当適切に行う。 五 特殊な療法又は新しい療法等については、別に厚生大臣が定めるもののほか行ってはならない。 六 別に厚生大臣が定める医薬品以外の医薬品を入所者に施用し、又は処方してはならない。 (必要な医療の提供が困難な場合等の措置等) 第16条 介護老人保健施設の医師は、入所者の病状からみて当該介護老人保健施設において自ら必要な医療を提供することが困難であると認めたときは、協力病院その他適当な病院若しくは診療所への入院のための措置を講じ、又は他の医師の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。 2 介護老人保健施設の医師は、不必要に入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させてはならない。 3 介護老人保健施設の医師は、入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させる場合には、当該病院又は診療所の医師又は歯科医師に対し、当該入所者の診療状況に関する情報の提供を行わなければならない。 4 介護老人保健施設の医師は、入所者が往診を受けた医師若しくは歯科医師又は入所者が通院した病院若しくは診療所の医師若しくは歯科医師から当該入所者の療養上必要な情報の提供を受けるものとし、その情報により適切な診療を行わなければならない。 (機能訓練) 第17条 介護老人保健施設は、入所者の心身の諸機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを計画的に行わなければならない。 (看護及び医学的管理の下における介護) 第18条 看護及び医学的管理の下における介護は、入所者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、入所者の病状及び心身の状況に応じ、適切な技術をもって行わなければならない。 2 介護老人保健施設は、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。 3 介護老人保健施設は、入所者の病状及び心身の状況に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。 4 介護老人保健施設は、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。 5 介護老人保健施設は、前各項に定めるほか、入所者に対し、離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない。 6 介護老人保健施設は、その入所者に対して、入所者の負担により、当該介護老人保健施設の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。 (食事の提供) 第19条 入所者の食事は、栄養並びに入所者の身体の状況、病状及び嗜(し)好を考慮したものとするとともに、適切な時間に行われなければならない。 2 入所者の食事は、その者の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならない。 (相談及び援助) 第20条 介護老人保健施設は、常に入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。 (その他のサービスの提供) 第21条 介護老人保健施設は、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努めるものとする。 2 介護老人保健施設は、常に入所者の家族との連携を図るとともに入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。 (入所者に関する市町村への通知) 第22条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスを受けている入所者が次のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付してその旨を市町村に通知しなければならない。 一 正当な理由なしに介護保健施設サービスの利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の程度を増進させたと認められるとき。 二 偽りその他不正の行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたとき。 (管理者による管理) 第23条 介護老人保健施設の管理者は、専ら当該介護老人保健施設の職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、当該介護老人保健施設の管理上支障のない場合は、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。 (管理者の責務) 第24条 介護老人保健施設の管理者は、当該介護老人保健施設の従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。 2 介護老人保健施設の管理者は、従業者にこの章の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。 (運営規程) 第25条 介護老人保健施設は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。 一 施設の目的及び運営の方針 二 従業者の職種、員数及び職務の内容 三 入所定員 四 入所者に対する介護保健施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額 五 施設の利用に当たっての留意事項 六 非常災害対策 七 その他施設の運営に関する重要事項 (勤務体制の確保等) 第26条 介護老人保健施設は、入所者に対し、適切な介護保健施設サービスを提供できるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。 2 介護老人保健施設は、当該施設の従業者によって介護保健施設サービスを提供しなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。 3 介護老人保健施設は、従業者の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。 (定員の遵守) 第27条 介護老人保健施設は、入所定員及び療養室の定員を超えて入所させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。 (非常災害対策) 第28条 介護老人保健施設は、非常災害に関する具体的計画を立てておくとともに、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。 (衛生管理等) 第29条 介護老人保健施設は、入所者の使用する施設、食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療用具の管理を適正に行わなければならない。 2 介護老人保健施設は、当該介護老人保健施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 (協力病院) 第30条 介護老人保健施設は、入所者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。 2 介護老人保健施設は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。 (掲示) 第31条 介護老人保健施設は、当該介護老人保健施設の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、協力病院、利用料その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。 (秘密保持等) 第32条 介護老人保健施設の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。 2 介護老人保健施設は、従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。 3 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者等に対して、入所者に関する情報を提供する際には、あらかじめ文書により入所者の同意を得ておかなければならない。 (居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止) 第33条 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。 2 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。 (苦情処理) 第34条 介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関する入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。 2 介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関し、法第23条の規定による市町村が行う文書その他の物件の提出若しくは提示の求め又は当該市町村の職員からの質問若しくは照会に応じ、利用者からの苦情に関して市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。 3 介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関する入所者からの苦情に関して国民健康保険団体連合会(国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第45条第5項に規定する国民健康保険団体連合会をいう。以下同じ。)が行う法第176条第1項第2号の規定による調査に協力するとともに、国民健康保険団体連合会から同号の規定による指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。 (地域との連携等) 第35条 介護老人保健施設は、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならない。 (事故発生時の対応) 第36条 介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。 2 介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。 (会計の区分) 第37条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。 (記録の整備) 第38条 介護老人保健施設は、従業者、施設及び構造設備並びに会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。 2 介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供に関する諸記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。 附 則 (施行期日) 第1条 この省令は、平成12年4月1日から施行する。 (経過措置) 第2条 平成17年3月31日までの間は、第2条第1項第3号中「3」とあるのは、「3.6」とする。 第3条 平成15年3月31日までの間は、第2条第1項第7号及び第5項並びに第13条第1項中「介護支援専門員」とあるのは「介護支援専門員又は看護若しくは介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある看護職員若しくは支援相談員」と、第13条第2項中「担当する介護支援専門員」とあるのは「担当する介護支援専門員又は看護若しくは介護の提供に係る計画等の作成に関し経験のある看護職員若しくは支援相談員」とする。 第4条 介護老人保健施設であって、その開設者が介護保険法施行法(平成9年法律第124号。以下この条において「施行法」という。)第8条第1項の規定により当該介護老人保健施設について法第94条第1項の規定による開設の許可を受けた者とみなされるもの(以下「みなし介護老人保健施設」という。)のうち、老人保健施設の施設及び設備、人員並びに運営に関する基準の一部を改正する省令(平成6年厚生省令第1号)附則第2項の規定の適用を受けこの省令の施行の際老人保健施設(施行法第24条の規定による改正前の老人保健法(昭和57年法律第80号)第6条第4項に規定する老人保健施設をいう。以下同じ。)として開設していたものの施設(当該適用に係る部分に限る。)について、第3条第2項第1号ロの規定を適用する場合においては、同号ロ中「8平方メートル」とあるのは、「6平方メートル」とする。 第5条 みなし介護老人保健施設であって、平成4年9月30日以前に老人保健施設として開設されたものについて、第3条第2項第4号の規定を適用する場合においては、同号中「2平方メートル」とあるのは、「1平方メートル」とする。 第6条 みなし介護老人保健施設であって、老人保健施設の施設及び設備、人員並びに運営に関する基準(昭和63年厚生省令第1号。以下「老人保健施設基準」という。)附則第3条の規定の適用を受けこの省令の施行の際老人保健施設として開設していたものの構造設備(当該適用に係る部分に限る。)については、第4条第2号(エレベーターに係る部分に限る。)の規定は、適用しない。 第7条 みなし介護老人保健施設であって、老人保健施設基準附則第2条第1項の規定の適用を受けこの省令の施行の際老人保健施設として開設していたものの構造設備(当該適用に係る部分に限る。)については、第4条第5号イの規定は、適用しない。 |
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